性虐待する父をかばった母 返ってきた思いがけない言葉

有料記事子どもへの性暴力

編集委員・大久保真紀 小若理恵 林幹益
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 子どもたちの心身とその後の人生を脅かす性暴力について考える企画「子どもへの性暴力」。第2部は、家庭内での性暴力について取り上げます。全8回です。1回目は、安全な場所であるはずの家で、信頼している家族から受ける性被害が、特に深刻な影響をもたらすことをお伝えします。

29歳女性の苦しみ

 父にはもう2年ほど会っていない。「死ねばいい」と思うほど、父が憎い。

 東海地方に暮らす女性はいま29歳。《消えてなくなりたい》。そんな衝動に駆られ、精神科に通ったこともある。無気力になって朝起きられず、大学は中退した。屈託なく笑う同世代の女の子がねたましく、自分が惨めだった。

 6歳のころ、山裾に立つ古い木造家屋の一室。父と母の間に敷いた布団で寝ていた。ふと、下着の中で何かがもぞもぞと動くのを感じた。体が凍りついた。父の手だった。

被害をなくすためには、どうすればいいか。被害にあった子どもたちをどのように救い出せばいいか。自助グループを取材するなどして出会った当事者に語ってもらうと同時に、この問題にどう立ち向かっていけばいいかを考えます。

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 居間でうたた寝をしていても…

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