「時給4割減」救ったユニオン 社内労組は正社員限定
榊原謙 吉田貴司
大幅な賃下げの危機にあった非正規の働き手が、正社員しか入れない企業内労働組合には頼れないため、勤め先を問わず個人で入れる外部の「ユニオン」の力を借りて問題を解決しました。しかし、この二つの労組、実はどちらも同じ組織に属していました。なぜこのようなことになり、背景には何があるのでしょうか。
この春。東証1部上場の薬王堂ホールディングス(本部・岩手県)傘下で、東北6県にドラッグストア約300店を展開する薬王堂の多くの店舗に、こんなタイトルのファクスが流れた。
「働く環境を良くしていこう! 連合中央ユニオン 薬王堂支部を結成しました!」
発信者は、個人で入れる「連合中央ユニオン」という労働組合。その「薬王堂支部」ができたのは、このユニオンに、薬王堂で働く非正規の働き手から「時給が4割減らされそう」という悲鳴が届いたことがきっかけだった。
どういう賃下げ提案だったのか。ユニオン側によると経緯はこうだ。
ドラッグストアが薬を売るに…
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