米失業率、6月は11.1%に改善 なお戦後最悪の水準

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ワシントン=青山直篤 ニューヨーク=江渕崇
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 米労働省が2日発表した6月の雇用統計は、失業率(季節調整済み)が11・1%となった。前月(13・3%)より改善したが、3カ月連続で戦後最悪の水準が続く。経済活動再開で新型コロナウイルスによる危機後の最悪期は脱したものの、新たな感染者が増え続けており、世界経済を牽引(けんいん)する米国経済に再び急ブレーキがかかるリスクに直面している。

 6月の失業率は市場予想(12・3%)よりも低かったが、リーマン・ショック後の不況期の最悪水準(2009年10月)の10・0%よりなお高い水準にある。景気動向を反映しやすい非農業部門の就業者数は前月比で480万人増で、5月より増加幅は大きかった。

 経済活動の再開を反映して、今回の危機で打撃が特に大きかった飲食、宿泊、娯楽などの接客業で、210万人分の雇用が増えた。全体の増加分の4割に当たる。ただ、それを踏まえても、危機前の2月と比べれば飲食業で310万人の雇用が失われたままだ。

 5月以降、巨額の財政出動や経済活動の再開で個人消費は持ち直したが、感染拡大のリスクと裏腹だ。全米の新規感染者数は連日過去最高を更新しており、経済規模の大きい南部テキサス州などが経済活動の制限を再開した。足元で感染状況がはっきり改善しているのは、北東部の数州にとどまる。

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は6月30日の米議会証言で、「米経済は予期していたより早く、重要な新局面に入った」として、5月の消費回復を評価。一方で「経済の回復は歓迎すべきだが、ウイルスを抑制するという新たな難題をもたらしている」とも述べた。

急回復の陰で続く人員削減

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 米雇用の回復は市場想定を上…

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