コロナで中止の舞台、書籍で復活 鄭義信版ロミジュリ

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増田愛子
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 脚本家・演出家の鄭義信(チョンウィシン)が、戯曲「泣くロミオと怒るジュリエット」(リトルモア)を出版した。2月8日に東京・渋谷のシアターコクーンで開幕した舞台は、新型コロナウイルスの影響で、千秋楽まで6日を残して中止。大阪公演も全日程が中止となった。鄭は「出版によって、僕たちは芝居をやりつづける、という一つの意思表示になればと思います」と話す。

 シェークスピアの悲劇を、戦後間もない大阪の港町を舞台に翻案。日本人ヤクザが元締のキャピレットと、戦前戦中に渡ってきた朝鮮人らを中心とするモンタギュー、二つの愚連隊の抗争に翻弄(ほんろう)される恋を描いた。

 「どちらかと言うと、人種間の争いが元にある『ウエスト・サイド物語』の要素が強い」と鄭。混沌(こんとん)とした街で生きる人々の生命力に、原作のエネルギーを重ねた。一方で、地名や人名はそのまま。ヘイトスピーチの問題なども織り込み、「現在、あるいは未来の話かもしれないと観客が思えるように、委ねたかった」と話す。

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