博物館のお札で「はくふだ」 大阪・泉州の8館が連携

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編集委員・中村俊介
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 地域文化の浮揚に歴史遺産の「活用」が叫ばれている。大阪府南部の泉州地域では、いまひとつ地味な郷土史を広く知ってもらおうと、地元7市の文化施設8館が連携し始めている。地域同士をつなぐのは、それぞれの「博物館」が用意したお札(ふだ)、通称「はくふだ」だ。

 各施設では、それぞれイチ押しのアイテムを描いたカードを、4枚ずつ用意している。8館で合計32枚。甲冑(かっちゅう)や勾玉(まがたま)、今をときめく明智光秀の肖像もある。各館を巡ってお札を集めれば、あなたも郷土の歴史を通観できる、というわけ。御朱印集めの文化施設版といったところか。

 今年初めには府立弥生文化博物館和泉市)が8館を代表して企画展「はくふだでめぐる泉州の歴史と文化」を開き、取り組みを紹介した。

 昨夏、大山(だいせん)古墳(伝仁徳天皇陵)など百舌鳥(もず)古墳群世界遺産登録された堺市博物館の出しものは古墳時代の出土遺物の数々。岸和田市岸和田城は近世の大阪をしのばせる資料が目玉。1964年東京オリンピック金メダルの立役者となったニチボー貝塚女子バレーボールチームゆかりの貝塚市では、市歴史展示館が「東洋の魔女」関連でアピールした。

 元弥生博総括学芸員として企画を立ち上げ、まとめ役も担った中尾智行さんは「ひとつひとつの来館者は少なく、地元でも知らない人がいる。そこで各館が誇るお宝を持ち寄ってPRと認知に役立ててもらいながら、互いの連携も固めるのがねらい」と語る。

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