有料化「弱小企業をターゲットに」 憤るレジ袋メーカー

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聞き手・井東礁
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 7月1日からプラスチック製レジ袋が原則有料化された。分解されにくいプラごみを減らして海洋汚染を抑える目的で、消費者の意識改革もねらう。だがレジ袋をつくる業界にとっては、たまったものではない。レジ袋の原型を日本で初めて開発したとされる中川製袋(せいたい)化工(広島県大竹市)は、小売業界の発展を支えてきたと自負する。中川兼一社長に、胸の内を聞いた。

中川製袋化工

1929年、紙袋メーカーとして創業。包装用品の専門メーカー。中川兼一社長は3代目で、日本ポリオレフィンフィルム工業組合の常任理事も務める。

 ――容器包装リサイクル法の省令改正に伴い、すべての小売店でプラ製レジ袋の有料化が義務付けられました

 「とうとう来たかという感覚だが、全く納得していない。小売業界の発展に、このレジ袋がどれだけ寄与してきたかと思うと、複雑な気持ちだ」

 ――その理由は

 「なぜ、まずレジ袋なのか根拠を示してほしい。日本の廃プラの排出量は年900万トン。うち400万トンが容器の包装で、レジ袋はその中の20万トンにすぎない。政府は環境対策の大目玉としてレジ袋の有料化に踏み切ったが、残りの380万トンはどうするのか。議論はほとんど進んでいない」

 ――レジ袋だけ減らしても効果はわずかだと

 「レジ袋がどれだけ環境に負荷を与えているか検証したうえで、環境政策を進めてほしい。ペットボトルや使い捨ての弁当箱を規制した方が、よほど廃プラは減る。大企業の食品や飲料メーカーではなく、私たちのような弱小企業をターゲットにした。環境対策のスケープゴートにされた気がしてしようがない。環境省の職員も私にこう言いました。レジ袋は身近で国民にわかりやすいんですと」

 ――確かにレジ袋は私たちの生活に溶け込んでいます。どんなきっかけで開発したのですか

 「1960年代、東京の多摩…

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