医師会と安倍政権、蜜月に幕? 調整型会長退場の舞台裏

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久永隆一
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 日本医師会長として5期目を目指した横倉義武氏(75)が6月27日の会長選で敗れた。安倍晋三首相ら政権中枢と信頼関係を築き、新型コロナウイルス対策や全世代型社会保障といった医療政策に影響力を発揮した横倉氏。8年ぶりの会長交代によって政権と医師会の蜜月は転機を迎える。

 会長選の投開票日を2日後に控えた25日午後、首相官邸。横倉氏は、安倍首相と向き合っていた。

私がいなくなっても…

 コロナ禍では、感染拡大をおそれ、患者が通院を避け、多くの医療機関が経営難に陥っている。横倉氏はこうした医療機関への一層の支援を要請し、首相にこう告げた。「私がいなくなっても、日医をよろしくお願いします」

 日医とは日本医師会の略称だ。「自分が会長でなくなっても、医療機関が潰れないようにしないといかん。次の流行のとき、国民の命を守れんやろ」。横倉氏は周囲にそう語った。

 横倉氏は約20年前、地元・福岡県の医師らで「医晋会福岡」をつくり、首相を支え続けた。第1次安倍政権で安倍首相が退陣した後も会を続けたことで、両者の信頼関係は深まったとされる。

麻生氏「先に辞めるのか」

 選挙前、自分を副会長として支えた中川俊男氏(69)が出馬に意欲を示していることを受け、一度は引退をほのめかした。そこで始まったのが、政界からの慰留工作だった。

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 「先に辞めるのか」。同じ福…

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