黒人の命の重さ訴える東京五輪候補選手 「戦い続ける」

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遠田寛生
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 最高の瞬間を犠牲にしてでも、伝えたいことがある。「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ=BLM)」。ハンマー投げで東京オリンピック(五輪)を目指す米国代表候補のグウェン・ベリーさん(31)は、ずっと黒人への差別に抗議を続けてきた。表彰台で拳を突き上げてその意を示し、警告を受けた経験もある。米ミネソタ州で黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行されて死亡した事件を受け、デモが世界に広がる中、オンライン取材で彼女に思いを聞いた。(遠田寛生)

 ベリーさんの名が世界に知られたのは、昨年8月のペルー。南北アメリカ大陸の選手が集まるパンアメリカン競技大会だった。74メートル62を記録して優勝。表彰台に上ると、国歌演奏中に顔を伏せて右拳を突き上げた。

 1968年メキシコ五輪で米国代表の黒人選手2人が行ったポーズをまねた黒人差別反対の訴えだった。

 「頭の中で閃光(せんこう)が走ったというか、瞬時に訴えなければ後悔すると感じた。人生でそれだけのことを見てきたし、経験してきたから。米国は機会やチャンスにあふれていると言われるが、黒人を抑圧するシステムが根づいている。肌の色が違うだけで将来の展望が広がらなくなる」

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