「敵基地攻撃」言葉避けた提言 安保政策に大きな転換点

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寺本大蔵 伊藤嘉孝 編集委員・佐藤武嗣
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 自民党は31日、新たなミサイル防衛に関する政府への提言案を了承した。タイトルは「国民を守るための抑止力向上に関する提言」だが、敵基地攻撃能力の保有について政府に検討を要請。「専守防衛」という日本の安全保障政策の大きな転換につながりかねない内容だ。(寺本大蔵、伊藤嘉孝、編集委員・佐藤武嗣

 「憲法の範囲内で、国際法を遵守(じゅんしゅ)しつつ、専守防衛の考え方の下」。提言案では敵基地攻撃能力の保有についてこう断った。検討チームでの岩屋毅・前防衛相の主張を踏まえ、敵基地攻撃に関する1956年の鳩山一郎内閣の国会答弁も強調。これまでの政府の立場を維持するような姿勢を示しながら、「相手領域内でも弾道ミサイル等を阻止する能力の保有」を検討するよう政府に求めた。

 提言案では「敵基地攻撃能力」という表現を避けた。提言案をまとめた自民党の検討チーム座長を務めた小野寺五典元防衛相は「攻撃、反撃、敵基地という言葉が入ると、先制攻撃のような間違った印象を与える危険性がある」と言う。

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 ただ、「相手領域内」という…

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