長野)浅間温泉「泊食分離」で再生 個人客向けにシフト

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羽場正浩
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 経営難で閉館した長野県松本市の温泉旅館の「再生」に、地元の若手経営者らが乗り出した。団体客から個人客向けに転向し、夕食は街の食べ歩きを楽しめるよう「泊食分離」のスタイルに見直した。観光客の減少にあえぐ地元温泉街の活性化も見すえて、このほど新生オープンした。

 松本市の郊外にある浅間温泉の一角。1919(大正8)年創業の「ホテルおもと」は、地区最大規模の宴会場を構える8階建ての温泉旅館。旅のスタイルが団体から個人へと変化する中で売り上げが低迷し、昨年の台風災害や雪不足も重なって閉館を迫られた。

 歴史ある「おもと」を何とか残せないか――。元専務で4代目になる山本陽介さん(36)は、浅間温泉の活性化をめざすグループの一員として、数年前から他の経営者らと交流を深めてきた。そのつながりを生かして新たな運営会社「WAKUWAKU浅間温泉」の設立に加わり、「おもと」の施設を引き継いだ。

 新会社の社長は、山ノ内町で温泉宿の再生を手がけたノウハウをもつ。山本さんは取締役として、名称を変えた「onsen hotel OMOTO」の運営に携わる。

 傾斜地に建つ施設の売りは、西側に広がる浅間温泉や松本の街、遠くの北アルプスの眺望だ。和室が中心だったが、畳の上にベッドを置く和洋室を9室つくり、西向きの窓にいすを並べた部屋を10室用意した。1階のロビーはテーブルやいすを増やし、気軽に利用できるようにした。

 新しい宿泊スタイルとして想…

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