8千万枚を追加配布するとして批判を浴びた政府の布マスク。加藤勝信厚生労働相は31日、介護施設などに向けた8千万枚の一律配布をやめ、希望する施設にだけ配る方針を表明した。余った分は国が備蓄するという。国会内で開かれた野党合同ヒアリングでは連日、議員が厚労省マスク班の担当者を追及。30日には、たびたび答弁に窮する担当者に「マスク班も被害者」と同情する一幕もあった。主なやりとりを詳報する。

ニーズ、どうしらべる

 議員側 アベノマスク8千万枚の追加発送、今日(30日)からと承っていた。今日の発送を取りやめてもらえないかと申し上げたら、持ち帰って検討すると。

 厚労側 昨日の会議の場で、本日からの発送については検討と申し上げた。配送の時期については、改めて検討させていただいている。介護関係の関係者に今後の配布について伺ったところ、マスクの需給は改善し、3月に配布頂いた時ほどではないが、備蓄などに活用し、ありがたいという声をいただいている。

 現在、重要なのは介護施設などのニーズを踏まえて布マスクを有効に使っていただくこと。そのあたりを含めて検討している。検討中なので、どのようにするかは、今日の段階で答えられない。

 議員 検討ということは、もう配送しないと。中止も検討の中身としてあり得るのか。例えば8千万枚をすべて国の備蓄にするとか。

 厚労 現段階でどういう検討結果になるかはわからないが、様々な可能性も含めて検討する。結論の方向性はまだわからない。

 議員 どうするつもりなのか。中止するつもりはないような趣旨でしたが、単なる延期であって、まだどこかで送るつもりなのか。なぜ延期したのか。我々の主張を認めた上で、無駄だということで延期したのか。これからどうするのか。

 厚労 今、厚労省で検討しているところ。最終的には大臣が判断する。

 議員 中止含めて検討すると。ニーズがないことがはっきりすれば中止するということか。

 厚労 中止するというふうには言ったわけではない。様々な可能性を含めてどうすればニーズに応えるのかについて、大臣まで諮った上で、最終的に検討して結論を出す。

 議員 結論はいつ出るのか。

 厚労 そこを含めて検討している。いつ出るかは、この場で答えるのは難しい。

 議員 ニーズを把握するのは、ヒアリングでもするのか。ほしいと言っている方や、逼迫(ひっぱく)している方、施設から手が上がれば送ると。例えば全国に通達を出して、必要な方は申し出てくださいという形式か。

 厚労 ニーズを踏まえた上で……。

 議員 どうやって踏まえるのか。ニーズをみなさん方が、どういうやり方で、どういうニーズがあるかを、どうやって把握するのか。

 厚労 これまで介護、障害福祉の団体の方を通じてニーズを把握した。声をふまえつつ、どういう手法がいいか、検討して結論を出したい。

 議員 団体を通して、所属する各施設、全国、調べてもらうやり方なのか。

 厚労 まずは関係団体の方々のご意見を伺う形で、ニーズを把握させていただくという形。

 議員 どれぐらい時間がかかりそうか。

 厚労 今、まさに検討している段階。手法も含めて。この段階でいつまでに結論を出すかは難しい。

 議員 ニーズの把握は大事なことだろうと。そのニーズはないということを先ほどご説明された。備蓄用についてはあるということ。それはニーズと呼べるかどうかは別の問題として議論しないと。

アベノマスクはなぜ小さいのか

 議員 なんであんなに小さいの…

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