いらだつ日産株主 「ゴーン流」をねだる声も
専門記者・木村裕明
リーマン・ショックがあった2009年3月期以来11年ぶりの赤字に転落した日産自動車が29日、定時株主総会を横浜市の本社で開いた。コロナ禍で例年より規模を縮小しての開催となったが、業績悪化に対する株主の不満は強く、11人の株主が質問に立った。所要時間は予定を上回る1時間51分に及んだ。
約1カ月前に発表した20年3月期決算は、営業損益が405億円の赤字。純損失は6712億円にのぼった。世界的な販売不振に加え、総額6030億円にのぼる構造改革費用や事業用資産の減損損失を計上した結果だ。純損益の赤字幅は、00年3月期の6843億円に次ぐ規模。瀕死(ひんし)の状態にあった日産に仏ルノーから乗り込んだカルロス・ゴーン前会長がまとめた大胆なリストラ策「日産リバイバルプラン」による工場閉鎖や人員削減などで多額の費用を計上した時以来の水準だ。時計の針が20年逆戻りしたような業績不振に、株主から厳しい質問が相次いだ。
株主の不満が強いのは、身の丈を上回る株主還元策の恩恵を得てきたことの裏返しでもある。
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