歌人は記者、記事にならない31音 ツイッターのように

有料記事

岡本進
[PR]

 スマホを使って、短歌を詠む若者が増えている。140字のツイッターに親しむ延長で、31字の短歌をつぶやく。その世界で、注目を集めている若手歌人が宮城県石巻市にいる。

 読売新聞に俳人の長谷川櫂(かい)さんが連載する名物コラム「四季」に11日、こんな1首が取り上げられた。

 何度でも夏は眩(まぶ)しい僕たちのすべてが書き出しの一行目

 5月に出版された歌集「飛び散れ、水たち」(左右社)の巻頭の首だ。作者の近江瞬さん(31)は、石巻地方の若手短歌愛好者10人でつくる「短歌部カプカプ」の部長。石巻日日新聞の記者でもある。

 短歌を始めたのは5年前。日本を代表する短歌結社「塔短歌会」に属し、30首による作品「句読点」が昨年、塔新人賞を受賞した。震災のことを詠んだ。

 塩害で咲かない土地に無差別な支援が植えて枯らした花々

 「話を聞いて」と姪(めい)を失ったおばあさんに泣きつかれ聞く 記事にはならない

 生きられれば良かった日々も七年が過ぎれば全教室にエアコン

ここから続き

 石巻市に生まれ育ち、早稲田…

この記事は有料記事です。残り703文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら