知葉幸雄さん(91) 岐阜県可児市
【語り継ぐ戦争】満鉄で電気機関車を運転した知葉幸雄さん=伊藤智章撮影
いまの岐阜県関市上之保、農家兼雑貨屋の3男坊です。昭和18(1943)年3月、南満州鉄道(満鉄)の採用試験を受け、合格した。同級生は海軍の予科練習生に志願したが、教師に勧められたし、僕は機関車を運転したかった。まだ13歳、身長は134センチしかなかった。
「バンザイ」に送られ、茨城県の内原で訓練した。旧満州に似た気候で体を慣らし、竹やり訓練もあった。満州の開拓団や旧電電公社の人たちもいた。
昭和18年5月、旧満州の撫順の養成所に入った。翌年8月、先輩が関東軍へ召集され、2年の僕らも11月に繰り上げ卒業し、撫順炭坑で電気機関車を動かした。広大な露天掘りの炭坑だった。一番底で石炭を積み、スイッチバックで9段上がり、発電所などへ届ける。中国人の白旗の合図で、12両の貨車を僕らが一人で動かした。一度も脱線させなかった。
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勤務は1日3交代、週に1日…
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