(食紀行)プリプリのまま旅に出る クルマエビ@熊本県・天草市

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大木理恵子
天草のクルマエビ 自然と人の技、気配りが生む味わい=大木理恵子撮影
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 水揚げされたばかりのその姿は、よく見ると色彩豊かだ。褐色と思い込んでいたが、尾の先は赤、青、黄色のグラデーション。木箱の中で盛んに足を動かし、時々、水を散らして跳ね上がる。

 夜明けの熊本県天草市有明海に面した作業場でクルマエビの出荷作業を見た。養殖業に携わり半世紀の「海老(えび)の宮川」は東京、大阪など全国各地に発送する。生きた状態で届けようと、飛行機の便に間に合わせるには作業はスピードが命だ。

 えさのコノシロを入れたかごを前夜のうちにいけす(養殖池)に沈め、夜行性のエビが入ったところで朝に揚げる。仕分け作業に支障が出ないように、いけすより低温の水槽に段階的に移してエビの動きを鈍らせる。この日の仕分け用水槽の温度は12~13度。輸送に耐えられるものを見極め、重さごとに選別するのだが、これがほとんど神業なのだ。

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 作業員は体長15~20セン…

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