高校のエアコン設置、保護者負担も 公費活用で改善進む

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松岡大将
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 佐賀県立4高校の教室にエアコンがない。今年は新型コロナウイルスの影響で一時休校にしたため、従来の夏休み期間中にも授業をする。このため県教育委員会は「学習環境の改善を図る」として、国からのお金を使って、ようやく設置に乗り出す。一方、すでにエアコンがある県立高校では、県の原則の下、保護者が費用を負担していた。

 22日昼すぎ、授業中の唐津青翔高校(玄海町)の教室には、うちわ代わりに下敷きやノートで仰ぐ生徒がちらほらいた。この日は晴天。壁に小さな扇風機が付いているが、送られてくる風は生ぬるい。1年の石田輝来良(きらら)さん(15)は「本当に暑いし、授業に集中しにくい。マスクを着けているから特に」と話す。

 県教委によると、県立高校34校中、こうした高校は唐津青翔のほか唐津商、嬉野(旧嬉野・塩田工の2校舎)、白石(旧杵島商の校舎)の4校。パソコン室や職員室などにはあるが、普通教室にはないという。

 県は今月発表した一般会計補正予算案に、4校へのエアコン設置費2億4300万円を計上した。新型コロナ対応のための国からの地方創生臨時交付金を使う。担当者は「コロナの交付金が活用できるため、この機会に予算化した」と説明する。

 夏休みは主に7月21日~8月31日だったが、今年は多くが8月1日~23日に短縮する。ただ、4校のエアコン設置工事は11月以降の見通し。このため仮設タイプをレンタルし、7月中旬に設置してしのぐという。

 県教委によると、校舎を所有する県は、原則として保護者が設置費や電気代を出すことを条件に、エアコン設置をPTAに許可していた。各家庭の負担額は、毎月の平均で生徒1人あたり700円程度という。

 ただ生徒数が少ないと、1人あたりの負担額が大きくなるため、設置に踏み出せないPTAが出ていた。生徒数で教育環境に差がつく状況だが、担当者は「以前から問題と考えていたが、なかなか予算を回せなかった」と話す。

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 唐津青翔は、保護者や生徒か…

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