「風と共に去りぬ」批判のわけ 奴隷制を錯覚させる?

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佐藤美鈴 平畑玄洋
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 米国で黒人男性が白人警官に暴行され死亡した事件をきっかけに人種差別への抗議が広がるなか、配信が一時停止となっていた映画「風と共に去りぬ」が解説動画付きで戻ってきた。不朽の名作になぜ待ったがかかったのか。映画界では問題への理解を深める作品を配信する動きも相次いでいる。時代の写し鏡でもある映画は、差別の歴史とどう向き合っていくのだろうか。

 1939年に公開された「風と共に去りぬ」。米アカデミー賞で作品賞など8部門に輝いた名作である一方、人種差別的だと批判の声があった。今月9日に米動画配信サービス「HBO Max」が配信を停止していた。

きっかけは寄稿「南北戦争前の南部を美化」

 配信停止のきっかけとなったのは、誘拐された黒人音楽家の過酷な奴隷生活をつづった映画「それでも夜は明ける」の脚本家ジョン・リドリー氏の米紙への寄稿だった。「映画は南北戦争前の南部を美化し、有色人種の最も痛ましいステレオタイプを永続させている」と批判していた。

映画評論家の町山智浩さんは「奴隷制度の残酷な面を描いていないという批判は原作が書かれた時代からあった」と指摘。原作の訳者で東京外大名誉教授の荒このみさんは原作者・ミッチェルの意外な一面を紹介します。

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 米在住の映画評論家の町山智…

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