「お前とは二度と会わない」 未知のコロナ、広がる差別

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カイロ=北川学 ドバイ=高野裕介 奈良部健 鎌田悠
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 世界各地で新型コロナウイルスの感染者を差別する動きが広がっている。特定の宗教や民族集団を感染源と決めつけ、迫害する事例も相次ぐ。ペストが猛威を振るった中世の魔女狩りのように、未知の疫病におびえる人類は同じ過ちを繰り返しているのか。

涙を流しながらコーラン 弔問客はほとんどなく

 エジプトの首都カイロ近郊の農村。IT技術者ラガイさん(32)は5月中旬、自宅の玄関前で椅子に座り、涙を流しながら聖典コーランを詠唱していた。父親(当時63)が新型コロナで死亡。近親者で葬儀を済ませて3日間の服喪期間に入ったが、喪主のラガイさんにお悔やみを言いに来る弔問客はほとんどいなかった。

 隣近所の人も、ラガイさんに近寄ろうとしなかった。親族の一人は朝日新聞助手の取材に「感染が怖いのは理解できる。でも村八分にされたようでつらい」と話した。

 近所の中学教師ムハンマド・シェリフさん(42)は気の毒になった。ラガイさんに近寄って握手をし、お悔やみの言葉を直接伝えた。だが、数時間後、同じ村の友人から電話があった。「お前とは二度と会わない。家にも行かない」と言われたという。

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 エジプトでは4月にも、コロ…

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