「マイクロツーリズム確立を」 星野リゾート代表が提唱
新型コロナウイルス感染症の影響で観光業界が大きな打撃を受けている。移動自粛が緩和され、国内旅行の回復の兆しがみられるなか、業界はどんな立て直しが必要か。星野リゾート(長野県軽井沢町)代表で、国内外でリゾートや温泉旅館の運営を手がける星野佳路(よしはる)氏に聞いた。
――回復のシナリオをどう描きますか。
「ワクチンが開発されるまでの1年半~2年ほどは、移動自粛とその緩和を繰り返しながら需要が戻ってくるだろう。初めての緩和期に当たるこの夏はテスト期間になる。緩和期の戻り具合が分かれば、第2波を想定したこの先の事業計画が立てやすくなる」
――訪日外国人客が戻るには時間がかかりそうです。どう乗り切りますか。
「(2019年の消費額でみると)国内旅行の市場は22兆円で、インバウンド(4・8兆円)よりはるかに大きな規模になる。そこに目を向け、自家用車で1~2時間圏内を観光するマイクロツーリズムを確立していくことが大事だ。全体の市場規模は小さくなるが、リピートしてもらえるチャンスは増える」
――リピーター獲得にはどんな工夫が要りますか。
「近場の人々にとっての非日常性とは何かを考え、サービスを見直さないといけない。これまでは遠くから来る客に地元の食材を出していたが、例えば山の温泉地なら海の幸を出した方が近くから来る客には喜ばれるかもしれない」
――政府は夏休みに合わせ…
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