「家計の固定費見直しを」 日本FP協会の白根理事長

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聞き手・箱谷真司 鈴木友里子
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 新型コロナウイルスの影響で景気の先行きに不透明さが増すなか、家計を見直そうという動きが広がっている。見直しのポイントは何か。資産設計の普及や啓発などに取り組む日本ファイナンシャル・プランナーズ(FP)協会の白根寿晴理事長に聞いた。

 ――新型コロナは、家計にどんな影響を与えていますか。

 「どの業界でも新型コロナの影響は大なり小なり出ており、事業の低迷が家計の収入減に結びついている。とくに飲食業やサービス業は売り上げの減少が大きい。大企業でも今年の夏や冬の賞与は減るだろう。来年以降も経済のV字回復は見込めない。財政支出で国債の発行がかさんだので、穴埋めするための『特別税』の徴収もいずれ始まるだろう。家計へのダメージは、ますます大きくなると思う」

 「2008年のリーマン・ショック後、30~40代の若い世代でファイナンシャル・プランナーに家計の相談をする人が目立った。新型コロナを受け、(家計を見直すなかで)『サブスクリプション定額制)のサービスを契約しすぎていた』『コンビニでの買い物を総合スーパーでまとめ買いすれば安くなる』など、いろんな気づきもあると思う。人生の不確実性についても実感し、若い世代が家計を見直す動きがさらに広がるのではないか」

 ――見直しではどんな工夫をすればいいですか。

 「まずは、家計で最も負担が大きい固定費を見直したい。家賃、住宅ローンの支払いでは国の給付金制度を活用したり、金融機関に相談したりするのがよい。ほかには生命保険の契約の見直しや、支払いが苦しい場合は公共料金の支払いの猶予などが考えられる」

 「そのうえで、長期的なライフプラン人生設計)に基づき、それぞれの支出が本当に必要なのか見直してもらいたい。たとえば、友達が習っているという理由だけで始めた、子どものスポーツなどの習い事があるだろうが、それぞれの家庭の実態に合わせて考えることが重要だ。日本FP協会では8月以降、無料の個別相談会を例年以上の規模で開き、家計の見直し相談に乗る予定だ」

 ――経済の先行きが見通せないなか、どんな心がけが必要ですか。

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 「行政も新型コロナへの対応…

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