関西の観光業、訪日客激減で大打撃 産業育成を地道に

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大阪経済部・神山純一
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取材考記

 6月初旬、外出自粛要請が解除された大阪・ミナミの商店街を歩いた。外国人観光客が通りにあふれ、歩きにくいほどだった半年前の光景がうそのように閑散としていた。

 出身地の関西に3年前赴任し、昨春から鉄道会社や空港を担当している。訪日客で鉄道の利用がのび、ホテルや百貨店も好業績に沸いていたのが一変。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で業績は急速に悪化した。

 大阪に加え、神社仏閣が多い京都や奈良、ミナト神戸など、関西は2010年代以降の訪日旅行ブームの恩恵を最も受けてきた。

 関西空港の2019年の外国人旅客数は約1677万人と、10年前の6倍強に増加。19年のインバウンド(訪日客)消費に占める関西の割合は約25%と、国内総生産(GDP)に占める割合(約15%)を大きく上回る。

 首都圏に比べてアジアとの距離が近く、訪日客向け観光産業への期待は大きかったが、新型コロナの影響で泡と消えた。「訪日客はしばらくは戻らない。国内旅行に使ってもらえるよう頑張るわ」。訪日客向けツアーでバスを運行してきた日本城タクシー(大阪市)の坂本篤紀社長(55)は話す。

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