横浜のIR、「カジノなし」で 建築家ら町家を提案

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武井宏之
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 横浜港の再開発は「カジノなし」で――。横浜市が山下ふ頭で計画する統合型リゾート(IR)の構想案を募ったところ、市在住の建築家で名古屋造形大学長の山本理顕さん(75)らのグループが、職住一体の町家を核に観光客も引き寄せる街の計画を提出していたことがわかった。「カジノありき」で進む市に、真っ向から対案を示した形だ。事業者の提案内容が明らかになるのは初めて。

 山本さんは横浜市育ちで横浜国立大学大学院でも教授を務めた。少子高齢化といった社会の課題に向き合い、建築を考えてきた。複合施設「建外SOHO」(中国・北京)や公立はこだて未来大学(北海道函館市)などを手がけ、国際的な評価を受けている。

 山本さんらがめざすのは、人口2万人規模の次世代都市だ。津波に備える高さ7メートルの地盤を築き、街路の両側に4階建ての「21世紀の町家」を建てる。住民は高齢化が進む郊外などから募り、住みながら働く。

 屋上には庭園を設け、ホテルを造る。外国にルーツがある人たちが住む街区も設け、通りには海外の都市の名前を付ける。住宅地全体を観光地化する発想だ。

「カジノは20世紀的」

 山本さんは「住民がつくり上げた魅力的な生活環境が観光客を引き寄せる。それが世界の多くの観光地の姿だ」と語る。カジノやエンターテインメント施設のように市民の日常生活から離れた施設を市中心部に造るのは20世紀的で、間違っていると考えている。

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