謎の信号53個、新素粒子か? 東大など暗黒物質実験

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石倉徹也
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 正体は不明だが、宇宙の物質の85%を占めるとされる暗黒物質(ダークマター)の検出をめざしていた東京大などの国際研究チームは17日、イタリアで2018年まで実験していたデータから謎の信号が53個見つかったと発表した。暗黒物質ではなさそうだが、ノイズでは説明しきれない部分が残るといい、未発見の素粒子「アクシオン」を検出した可能性があるという。

 東京大や名古屋大、神戸大などが参加する国際研究チーム「ゼノン」は、暗黒物質を直接検出するため、イタリアの地下施設に液体キセノン3・2トンを満たした検出器を設置。暗黒物質がキセノンとぶつかって光や電子をわずかに出すのを待つ実験をした。16~18年分のデータを解析したところ、想定されたノイズ以外に、どうしても説明がつかない信号があったという。

 物理学の標準理論が予言した17種類の素粒子は、12年にヒッグス粒子が発見され、すべて見つかった。だが、標準理論で説明できない現象も多く、さらなる素粒子が複数予言されている。今回のデータは、その一つのアクシオンが太陽から飛来した場合のシミュレーション結果と99・98%の確率(3・5σ(シグマ))で一致した。

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 ただ、検出器に紛れ込んだト…

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