1人部署への異動撤回 町長 「パワハラ感じさせた」

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高橋豪
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 山口県田布施(たぶせ)町が、固定資産税の課税ミスを内部告発した職員を1人だけの部署に異動させ、職場を1人部屋にしたことをめぐり、東(ひがし)浩二町長は17日、町役場で記者会見し、「本人にパワハラと感じさせてしまい、(異動に)配慮が足らない点があった」と謝罪した。今後、この職員の職場を、1人部屋から複数の職員がいる部屋に移すと述べた。

 この職員は税務課にいた2018年5月、固定資産税の過大徴収を当時の課長らに指摘したが、調査がされなかったため、町議らに内部告発した。課税ミスについては昨年、当時の課長が減給の懲戒処分となり、東町長も給与を減額した。

 職員は内部告発以降3回異動して今年4月、1人だけの部署に配属された。勤務場所は役場とは別棟で、普段は住民に貸し出されていた公民館の和室の一室。また、職員の18年度の人事評価は「0点」だった。

 これらの点について、職員は9日の朝日新聞の取材に「正しいことをした人間にこういう仕打ちをすれば、他の職員は何も言えなくなる」と話していた。

 東町長は会見で、パワハラ的な人事や隔離させる意図を改めて否定。異動が報道された翌日の9日以降、職員と複数回面談し、直接謝罪したと説明した。「0点」の人事評価も内部調査の結果、「適正な評価ではない」として撤回し、訂正することも明らかにした。職員の希望を聞いた上で勤務場所を変え、複数人いる職場環境にするという。

 その上で、東町長は「全国で大きく報道され、町民や関係者の皆様にご心配とご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げる」と陳謝した。

 町によると、報道以降、町には抗議の電話やメールが600件以上寄せられた。この間の町職員による応対をめぐっても、東町長は「(職員の)イメージを傷つけ、精神的苦痛を与えた」として、職員に謝罪したと説明した。

 町は今後、職場での問題を外…

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