院内感染で「全員検査」 済生会有田病院の得た教訓

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 国内初となる新型コロナウイルス院内感染が確認された2月中旬、済生会有田病院に全国から注目が集まった。この事態にどう対応したのか。関係者が当時を振り返った。

 済生会有田病院(和歌山県湯浅町)で医師の新型コロナウイルス感染が分かった2月13日。県の対策会議と記者会見が終わった後も、県福祉保健部技監の野尻孝子には仕事が残っていた。同病院に対して、さらなる感染を防ぐための指示をする必要があった。

 県は、医療従事者と入院患者の健康把握や、新規の入院や外来の停止を求めた。また、感染した疑いのある人が1月18日に外来を受診していたことから、この日以降に受診した人の相談を受け付ける「接触者外来」の設置や、院内の消毒なども病院側に要請した。

 同院では2月14日から外来を停止し、院内に「感染対策会議」を立ち上げた。当時の院長補佐兼副院長(現院長)、瀧藤克也によると、医療従事者の健康状態を共有し、感染対策に必要な情報を病院職員に発信した。医学論文データベースを調べ、中国などでの新型コロナの対応を紹介する約140の論文などを確認。手探りだったがそこから使えそうな情報を集めた。

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 当時、入院患者は約150人…

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