中国とインド、国境周辺で衝突 殴り合いや投石で死者

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奈良部健 北京=高田正幸
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 インド陸軍は16日、中国との国境が画定していないインド北部ラダック地方で中印両軍による衝突が15日夜に発生し、インド側の軍幹部や兵士の計3人が死亡したと発表した。1962年の国境紛争後、国境付近では両軍のにらみ合いが続発したが、死者が出るのは極めて異例だ。

 インドメディアによると、被害は殴り合いや投石などによるもので中国軍にも死者が出た模様だ。双方の軍幹部が事態の沈静化に向け、協議に入っている。インド外務省報道官は「インドの行動はすべて実効支配線のインド側で行われており、中国にも同様の行動を期待する。対話に基づいて国境地帯の和平を築いていく」とコメントした。

 共産党機関紙系・環球時報の胡錫進編集長は関係筋の話として、中国側にも死傷者が出たとSNSに投稿した。中国外務省の趙立堅副報道局長も16日の定例会見で衝突があったと認め、「インド部隊が2回境界を越え、中国側に挑発や攻撃を行い、双方の肉体的衝突を招いた」と主張。インド側に「強烈な抗議」を伝えたことを明らかにした。

 インド軍関係者によると、両軍の間ではこれまでも衝突があり、インド北部の連邦直轄地ラダックのパンゴン湖近くなど2カ所では5月5日、両軍の兵士が殴り合ったり、投石し合ったりして双方に負傷者が出た。インド側が自国の支配地域内に道路を建設したことに中国が反発したことが背景にあるとされ、両軍とも数千人を増派してにらみ合いが続いていた。

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 インド北東部シッキム州の国…

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