第2回県教組攻撃は「差別によるリンチ」 勝ち取った高裁判決

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ヘイトスピーチとたたかう②

 「朝鮮の犬」「日本から出て行け」――。2010年4月14日、徳島市徳島県教職員組合事務所。男女十数人が突然押し入り、当時書記長だった冨田真由美(68)ら女性2人に拡声器で怒声を浴びせた。日本教職員組合主催の寄付金の一部を、県教組が四国朝鮮初中級学校(松山市)に渡したことを取り上げ、「朝鮮学校に金送ったんや」とののしりもした。

 侵入者らが録画してネットに投稿した動画が証拠となり、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)メンバーら7人が9月に逮捕された。うち3人は、09年12月に京都朝鮮第一初級学校前で街宣した事件でも起訴されたため、京都地裁で審理が合併され、執行猶予つきの有罪判決が出された。

 冨田は県教組とともに13年8月、実行者らを相手に民事訴訟を提訴。15年3月の徳島地裁判決は賠償請求を認めたが、「抗議活動は人種差別的思想の発現とはいえない」として「差別」を否定。「事件は差別であり名誉毀損(きそん)」と考えていた原告側は控訴した。

 「控訴審からは京都弁護団も積極的にかかわります」。一審判決後間もなく、京都の朝鮮学校裁判弁護団の豊福(とよふく)誠二(55)が冨田に申し出た。同じ在特会による事件の被害者として京都朝鮮学校の関係者と交流があり、京都の弁護士らが加勢することになった。

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 一審では、実行者らの行為を…

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