急増するプラごみ 外出自粛が影響? 自治体に危機感

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神田明美 水戸部六美 野中良祐
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 新型コロナウイルスによる外出自粛で飲食店からのテイクアウトやデリバリー(配達)が増えた3月ごろから、弁当容器やランチボックス、カップなど、家庭から出るプラスチックごみが増えている。こうした容器包装プラスチックを分別回収している自治体のなかには、前年よりも1割以上増加しているところもある。「新しい生活様式」が推奨されるなか、プラスチックごみの増加という新たな課題が浮かび上がってきた。

使い捨てプラごみ排出量、世界2位

 容器包装プラスチックとは弁当容器やペットボトル、レジ袋、食品トレーといった使い捨てのプラスチック容器や包装のことだ。自治体によって、資源として利用するため分別回収するところもあるが、燃やされるごみと一緒に回収しているところもある。

 新型コロナの感染拡大で3月ごろから大都市を中心に危機感が広がり、緊急事態宣言による外出自粛の呼びかけもあって、テイクアウトやデリバリーを利用する人が多くなった。使い捨て弁当容器などが使われる場面も増えた。

 大阪市が3月に分別回収した容器包装プラスチックは1683トンで前年比6・8%増、4月は1734トンで8・4%増だった。5月も7%あまり増えている。京都市も3月は約860トンで8・8%増え、4月も6・8%増加した。

 東京も同様で、容器包装プラスチックを分別回収している区のうち江東区杉並区など11区の平均の回収量は約1割(4月)増えた。横浜市でも12・5%ほど増え、5月も同様の傾向だという。

 横浜市の担当者は「削減努力によって家庭から出るプラスチックごみは減少傾向だったので、急な増加は新型コロナの影響としか考えられない」と驚く。大阪市の担当者も「テイクアウトや配達、スーパーでの食料品の購入が増えたことが背景にあるのでは」と話す。

 あくまでも容器包装プラスチックとして分別回収されたもののデータでしかないが、コロナ禍による生活様式の変化で、使い捨てプラスチックの使用が増えている状況がうかがえる。

 日本の1人当たりの使い捨てプラスチックごみ排出量は、米国に次いで世界で2番目に多いのが現状だ。再びプラスチックにする再生利用率は低く、多くが焼却されて、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出につながっている。また、最近は世界的にプラスチックごみによる海洋汚染が問題になっている。政府が昨年策定した「プラスチック資源循環戦略」は、2030年までに使い捨てプラスチック排出量の25%削減を掲げる。だが、コロナ禍という新たな難題が出てきた。

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■容器持参、呼びかける店も…

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