斎藤環さん、コロナで誰もが気付いた「会うことは暴力」

有料記事コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

聞き手・寺下真理加
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 皆さんは外出自粛期間中の在宅時間を、有効活用できましたか。記者は人生で初めてスマホのゲームにはまりました。流行中の「あつまれ どうぶつの森」のスマホ版「ポケ森」です。当初は外出できないことが苦痛だったのに、ポケ森にはまりすぎて、5月末には「ずっと家にひきこもっていたい」と思うように。自分ではその理由がわからず、精神科医斎藤環さんに尋ねてみました。

 ――5月は仕事以外はひきこもったままゲームに明け暮れ、まさに「不要不急」の日々でした。

 私は外出自粛期間中、時間の流れが非常に貧しいものになっていたのでは、と考えています。今日はどれだけの感染者が出た。どの業種が休業要請の対象だ、といった特定の情報に人々の関心が集中し、コロナのみに合わせた時間、いわば「コロナ時計」のみを生きることになった。本来なら、人間が経験する色んな出来事には、それぞれ異なる時間の流れがあって、それらが束になり個々人の時間を作っていた。そこには当然、不要不急も含まれる。でもその不要不急を感染防止と自粛という形で排除した結果、時間の流れが貧しくなってしまったのです。

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 自粛期間に入った当初、これ…

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