「口かみ酒」回し飲みで感染も? アマゾン先住民に危機

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笠原真
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 南米ブラジル新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化しています。米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、8日までに感染者が69万人を超え、米国に次いで世界で2番目まで増加しました。死者は3万6千人にのぼり、3番目の多さとなっています。こうした状況のなか、先住民に感染が広がれば、独自の伝統や文化が危機に立たされてしまうとの懸念が出ています。

305部族、人口は90万人

 世界の先住民の保護団体「サバイバル・インターナショナル」によると、ブラジルには305の部族が存在し、人口は約90万人。同国の人口全体でみると0・4%ほどになります。

 アマゾンの先住民の新型コロナ発症が初めて確認されたのは4月1日でした。ブラジル北西部のアマゾナス州に住むコカマ族の20代女性で、地元で保健活動に携わり、外部の医師から感染したとみられています。AP通信はブラジル先住民連合(APIB)の話として、5月21日までに先住民の40部族、計537人が感染し、そのうち102人が死亡したと伝えました。

 アマゾンへの渡航歴が豊富な探検家の関野吉晴さん(71)によると、現在は学校などに通うため、居住地域外の文明社会に接している先住民が多く、「まったく接することがないのは、おそらく1~2割ほどではないか」といいます。

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 医師でもある関野さんは、先…

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