学びの入り口、一つでもいいよ 子どもの本屋さんの提案

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聞き手・田中章博
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 新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちのくらしや社会を大きく変えました。直面する不安に、どう向き合い、乗り越えていけばいいのか。子どもの本の専門店を経営する増田喜昭さん(69)に聞きました。

 学校生活が再開しています。給食の時間だって、机をくっつけて食べられないなんて、子どもたちは寂しいよね。学校も含めて、ぱっと元の生活には戻れない。屋内で個々に過ごす時間は、これまでより長くなるのでしょう。

ますだ・よしあき 子どもの本専門店「メリーゴーランド」を1976年に開店。絵本や童話の作家養成のワークショップも主宰する。「ひげのおっさん」として、全国の子どもたちと昆虫キャンプやスキーツアーにも繰り出す。「えほん・絵本・134冊」(2020年)など著書多数。本紙の絵本企画「たぬき書房」の元絵本選者。

 外出自粛が要請されていた期間も、三重県四日市市にある子どもの本専門店「メリーゴーランド」は、感染防止対策をして営業をしていました。子どもたちの中には、破裂寸前の風船のようにパンパンになっている子が結構いました。

 そんなに親しくなかったのに、お店でぼくの顔を見たら抱きついてくる子もいました。少人数で工作したり、昆虫を観察したりして、店でようやくガスを抜いて、家に帰っていく子たちもいました。

親子関係、面白がって

 巣ごもり生活は、親は悲壮です。マスクを着けなきゃ、消毒しなきゃと神経をすり減らす毎日。社会の活動が止まり、人間は自然の中の動物の一種に過ぎないと思い知らされたり、お金や物に固執しすぎだったと感じたりした人も多いと思います。小さな子でなくても、そんな顔色や不安は子どもに伝染します。

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 学校はない、テレビをつけれ…

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