非常時こそ自分の言葉で フリーアナ山本浩之さんの問い

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聞き手・田中祐也
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 新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちのくらしや社会を大きく変えました。直面する不安に、どう向き合い、乗り越えていけばいいのか。フリーアナウンサーの山本浩之さん(58)に聞きました。

 コロナ禍でテレビを見る人は増えています。その中でニュースや情報番組だけでなく、ゴールデンタイムにもコロナをテーマにした特別番組が増えています。バラエティーの収録がしにくい状況が続いているからです。

やまもと・ひろゆき フリーアナウンサー。堺市生まれ。1985年関西テレビ入社。「アタック600」や「スーパーニュースアンカー」のキャスターとして、阪神大震災や東日本大震災を取材。2013年にフリーとなり、14年から「ちちんぷいぷい」(毎日放送)に出演中。趣味はギター演奏と料理。(写真は本人提供)

 ただ、司会者とコメンテーターとのやり取りに終始してしまうケースが多く、危機に直面する人のナマの声が届けられていないのではないでしょうか。たとえば緊急事態宣言の期間中に情報番組で人が減った京都の観光地の映像を見て、出演者が「やっぱり寂しいですね」と情緒的に言ってしまう。そうじゃなくて、みんなががんばって外出を控えた成果ですねと言わなくてはいけない。

 休業要請でも営業を続けたパチンコ店を取材した番組もありました。1台空けて座ったり、消毒液を置いていたり、そんな内容でした。休業要請に協力している店が大半の中、この映像を流したらどうなるのかという判断ができていない。

一番の弱者は?

 自分がキャスターだったとき、地震や台風など様々な自然災害が起きました。災害報道で心がけていたのは、一番の弱者は誰かという視点を忘れないことです。

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 発生直後は誰か、半年、1年…

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