市原の女児死亡、市が不適切対応認める 安否確認できず

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高室杏子 寺沢知海
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 「児童相談所に相談するべきだった」――。千葉県市原市で生後10カ月の小西紗花(すずか)ちゃんが衰弱死したとみられ、母親(23)が逮捕された事件。市は10日、記者会見し、約9カ月間、健康状態を確認できていないことについて、対応が不適切だったことを認めた。市では6年前の虐待死事件を受けて改善策を定めていたが、生かされなかった。

 市は記者会見で、2019年12月18日に、紗花ちゃんの兄が通う保育園から、連絡があったことを明らかにした。「通っている子どもの欠席などが多くなっている。お母さんの状態など含めて心配だ」という内容だったとし、「紗花ちゃんについての情報ではなかった」と説明した。

 一方、保育園は朝日新聞の取材に対し、「保育園の送迎時に、母親といつも一緒にいた赤ちゃんの姿が見えない」と、市の虐待対応窓口に通報したと答えており、市の説明と食い違っている。

 この通報内容についても、市の担当部署は今年1月14日、県中央児童相談所や県警が参加する市要保護児童対策地域協議会(要対協)の実務者会議に報告していなかった。市は「市町村で対応できるレベルと判断したため」と釈明した。

 また、市は19年4月25日、保健師が新生児の健康状態を確認するため、母親宅を訪問して以降、紗花ちゃんが乳児健診や予防接種を受けていなかったが、約9カ月間、目視で安否確認できていなかった。

 厚生労働省は乳児健診や予防接種を受けていない子どもは虐待のリスクが高いとして、子どもの安全を直接確認するよう求めている。市は安否確認できていない状況も要対協に報告していなかった。

 こうした対応について、市は当初、「適切だった」としていた。だが、市子ども未来部の三沢英二部長は「今振り返ると会えていないという点で児相などに相談して協議する必要があった」と話した。その上で「今後の捜査を踏まえた上で検証していきたい」と語った。

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