豊島将之名人(30)=竜王とあわせ二冠=に渡辺明三冠(36)が挑戦する第78期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第1局が10日、三重県鳥羽市の旅館「戸田家」で始まり、午後6時半、挑戦者が56手目を封じ手にして1日目が終わった。2カ月遅れの開幕局は、中盤戦を控えて水面下での読み合いが続いている。
名人戦は4月開幕予定だったが、コロナ禍で日程が変更。名人は叡王戦、挑戦者は棋聖戦と、共に他のタイトル戦を並行して戦う過密日程になった。対局室の換気を徹底するなど、感染対策を施す必要も生じた。
先手の名人の作戦は角換わり。▲4五歩(37手目)で未知の展開に突入した。挑戦者が決断良く手を進めたのに対し、名人は▲5八玉(41手目)に1時間26分費やすなど、熟慮が目立つ。名人が▲4六角(55手目)と好位置に角を打った局面で1日目が終わった。持ち時間各9時間のうち、消費は名人4時間58分、挑戦者3時間7分。11日午前9時に再開する。
解説を務める副立会人の杉本昌隆八段(51)は「▲4六角は機敏な一手。明日は午前中から本格的な戦いが始まりそうです」と話した。(村瀬信也)
〈指し手〉先手・豊島名人 …
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