歴史ある企業、若い力で転換を コロナ禍もきっかけに

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聞き手=箱谷真司
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 新型コロナウイルスの影響による景気悪化の影響が見通せないなか、中小企業経営者のなかには引退して若い世代にバトンタッチする人も出始めている。後を継ぐ若手経営者を支援する一般社団法人「ベンチャー型事業承継」の山野千枝・代表理事に、中小企業を取り巻く現状を聞いた。

 ――コロナ問題が中小企業経営者に与える影響は。

 「会社を親族に引き継ぐ『同族承継』、親族以外に引き継ぐ『第三者承継』、M&A(企業合併・買収)などが増え、中小企業の世代交代は今までにないスピードで進むだろう。急激な社会の変化で常識を根底から覆され、自信を失う経営者がいる一方、後継ぎの若い世代にはパラダイムシフト(考え方の転換)の好機と捉える人もいる。平時は会社として『守るもの』と『捨てるもの』を巡って世代間摩擦もあるが、今は会社の存続がかかっており、そんなことも言っていられない」

 ――「ベンチャー型事業承継」ではどんな取り組みをしていますか。

 「会社を引き継いで新しい事業に取り組む若い経営者に有料で会員登録してもらい、情報交換などの機会を提供している。入会時に34歳未満の経営者が対象で、現在の会員は約300人。近い将来に家業を継ぐ予定の若者が多い。事業計画の発表会や、会社の課題を先輩経営者に相談する機会を設けている。後継ぎの根っこにある野心や危機感を発露できる場所を目指している」

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 「コロナ問題を受け、会員の…

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