ヨネちゃんにも振る舞う 室井佑月が在宅で行き着いた味

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聞き手・林るみ
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 作家の室井佑月さんには、新型コロナウイルスの感染拡大で自粛生活が続くなか、「これがいちばん」と思った食べものがあるそうです。家族同士で過ごす時間が増えて、何かとストレスがたまりがちな巣ごもり生活を乗り切るひけつ、さらに新婚生活について語りました。

亡くなった母が作ってくれた

 コロナでずーっと家にいて、浪人中の息子とふたり、一緒に何を食べるのが一番いいかを考えたら、「マルちゃん焼そば」なんだよね。一袋にソフト麺が3玉入って粉末ソース付き、スーパーで198円とかで安売りしているやつ。緊急事態宣言が出た直後はスーパーで売り切れて、他の焼きそばもいろいろ試したんだけど、やっぱりあれがベストだとわかった。 

 子どもの頃、亡くなった母が土曜とか日曜、週末の昼ごはんに作ってくれていたの。結局、昔から慣れ親しんできた味が一番好きな味になるんだよね。

 あたしが作るときの具は、キャベツともやし、シイタケと豚バラ肉。麺よりも具がずっと多い。ニラを入れるときもあるけれど、冷めるとニラのにおいがきつくなるから、すぐに食べ切れる時に限る。

 野菜と豚肉を少し塩コショーして炒め、麺3玉を投入。麺を水ではなくて、酒でほぐして入れるのがポイント。粉末ソースを入れ、さらにウスターソースで味を調え、最後にかつお節の粉と青のりをかけ、できあがり! 朝食べて、残りを昼も食べて。野菜がちゃんととれるし、汚れるのはフライパン一つと取り皿だけ、というのもいいよね。

「手抜き」でも、おいしい

 緊急事態宣言中、息子は予備校が休みで、一日中一緒だった。たまに外に出ると、近所から親子げんかのどなり合いの声が聞こえてきたけれど、うちらはそんなことはしない。互いに活動時間をうまくずらして生きていたから、ケンカすることもなかったよ。

 そもそも、更年期を迎えたオバハンと20歳にならんとする若い男(息子)との間には共通の話題なんてないんだから、しゃべらないし、互いに干渉し合わない。

 食事はあたしが作るんだけど、だんだん手抜きに、一度に大量になっていった。でも、おいしいからいいじゃん。

記事の後半では、結婚したばかりの「ヨネちゃん」との生活を語ります

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 息子のごはんは、一緒に暮ら…

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