持ち出されたHDDどこへ 全容わからぬ前代未聞の流出

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 神奈川県庁で使われていたハードディスク(HDD)が流出した事件で、勤務先からHDDなど51個を持ち出したとして窃盗罪に問われた処分請負会社「ブロードリンク」の元社員高橋雄一被告(51)に対し、東京地裁は9日、懲役2年執行猶予5年(求刑懲役2年)の有罪判決を言い渡した。事件の発覚から半年。前代未聞の大規模な情報流出の実態はどこまで解明されたのか。

54テラバイトの情報が流出

 「内部情報が漏洩(ろうえい)し、神奈川県庁や他の処分依頼者に大きな不安感を与えた」。判決文を読み上げた品川しのぶ裁判官はこう指摘した。

 事件は昨年12月、朝日新聞の報道で発覚した。県庁のサーバーを構成するHDD396個のうち少なくとも18個が、ネットオークションで転売されていた。サーバーごと処分を請け負ったブロードリンクの社員だった高橋被告が盗み出したとして、警視庁に逮捕された。

 HDDには県の業務に関する文書や写真、動画など、膨大な個人情報や行政情報が記録されていた。容量で計54テラバイト分に相当し、過去の情報流出と比べても突出した規模だ。

 情報流出の全容はどこまで明らかになったのか。

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 県は、外部の専門家を交えた…

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