新チェアマンに聞く Bリーグと日本バスケットの未来

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聞き手・松本麻美 松本龍三郎
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 プロバスケットボールBリーグの新チェアマンに就任する島田慎二氏(49)が8日、朝日新聞の単独インタビューに応じた。新型コロナウイルスの収束が見通せない中、B1千葉をリーグ随一の人気クラブに育てた経営手腕をどういかし、かじを取るのか。10日の臨時会員総会などでの正式決定を前に、リーグの将来像などを語った。(聞き手・松本麻美、松本龍三郎)

 ――大河正明チェアマンが任期途中で退任の意向を示し、後継候補になった。

 「最初に聞いた時はびっくりしました。新型コロナウイルスの状況を見ると、この中でいきなりかじ取りするのはしんどい。でも、厳しい時に入る方が自分には向いています。旅行会社の経営者として25歳で起業、SARS(重症急性呼吸器症候群)やテロなどのリスクを乗り越えてきた経験もあります。バスケット界に入ってからも8年半で潰れそうなクラブを成長過程に乗せ、いろんな局面を見てきました。やりがいがあると、ポジティブに受け止めています」

アリーナ構想、「見極め必要」

 ――Bリーグは昨夏、中長期の成長プランをまとめ、観戦環境を重視したアリーナを各地に建設する構想がある。

 「いわゆる体育館ではなく、アリーナが全国にできるのは、地方創生の観点からも素晴らしいことだと思います。ただ、今はコロナで経済的にも精神的にも社会が傷ついている。時期や優先順位を見極めていかなければいけません」

 「米プロNBAのようなアリーナを日本で建てても同じ雰囲気に近づけるわけではありません。バスケットを愛してくれるファンがたくさんいて、文化として醸成されていないといけません。今の体育館でも盛り上げてやるぞという志があり、そこに立派なアリーナができた時に盛り上がる。結局は、各クラブを発展させることが一番の近道だと思います」

 ――大きなアリーナができても客席が埋まらず、満員の熱狂が失われるとの指摘がある。

 「臨場感を含め、観客席がガラガラではやっぱりダメだと思います。Jリーグもスタジアムをダウンサイズする傾向にあります。例えば、客単価2千円で1万人が入るのと客単価4千円で5千人が入るのとでは、売り上げは同じ。それならば5千人の方がやりやすいと思います。コロナの状況もあるので、アリーナのサイズありきではなく、集客とセットで考える必要があります」

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