埼玉県川越市の旧織物市場の建物復元工事が、予定より2年遅れで始まる見込みとなった。市が「契約不履行」を理由に工事を請け負った市内の業者との契約を解除したため宙に浮いていたが、先月、出直し入札が成立し、市議会の議決を経て新たな業者と本契約できる見通しが立った。

 完成予定は、当初より4年遅れの2024年春。事業費は予算ベースで約5億9千万円から、再設計や工事を分けた管理費が膨れ上がるなどしたため、約10億4千万円となる予定。

 旧織物市場は明治末期の1910年に建てられた。卸業者が軒を連ねた木造2階建ての長屋2棟と、昭和初期に女工の給食を作っていた旧栄養食配給所からなる。市によると、これらの現存は全国的に少ないという。約20年前に取り壊してマンションを建てる計画が持ち上がったが、住民らが保存を訴え、市が修復へ乗り出した経緯がある。

 長屋は近年まで住宅として使わ…

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