宮城)復興工事 古代掘りおこす 東北歴史博物館特別展

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申知仁
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 東日本大震災の復興事業によって、県内では多くの遺跡が見つかった。線路の移設先からは古代の役所、災害公営住宅の建設地からは豪族の墓……。過去の津波で堆積したとみられる砂層も見つかっており、地域の防災を考える上でも貴重な情報を伝えている。

 文化財保護法の規定では、工事予定地から遺跡が見つかった場合には届け出が必要で、現状のまま保存できなければ発掘調査をして記録に残すよう定めている。災害からの復興工事も例外ではない。復興事業に伴って県内で実施した発掘調査は、今年3月までに約400件。事業に遅れが出ないよう、全国の48自治体からのべ114人の専門職員が応援に駆けつけ、調査を進めた。

 例えば、早期の復旧・復興が必要だった道路や鉄道。常磐線を内陸に移設させる工事で見つかったのは、山元町南部の丘陵地にある「熊(くま)の作(さく)遺跡」(主に飛鳥~平安時代)だ。遺跡は奈良時代に、亘理郡を統治する役所の一部だったと推定されている。ここから「大領(たいりょう)(古代の郡の長官)」と書かれた須恵器(土器)や、役人が使うすずりなどが見つかった。

 災害公営住宅の建設地となっ…

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