「暗殺計画」で同僚にわな チェコがロシア外交官を追放

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モスクワ=喜田尚
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 チェコ政府は5日、同国の情報機関に偽の情報を寄せて混乱させたとして、ロシアの外交官2人を国外追放したと発表した。地元メディアが報じた。チェコでは4月、ロシアの情報機関員がプーチン政権に批判的なプラハ市長らの暗殺を狙って化学兵器を持ち込んだとメディアが報道。両国間で批判の応酬になったが、発表は外交官の1人が不仲な同僚をおとしめようとして暗殺計画をでっち上げていたとした。

 チェコやロシアのメディアによると、国外追放とされた2人は現地のロシア科学文化センターの外交官。2人は以前から仲が悪く、今年3月に一方がチェコに入国した際、他方が匿名でチェコの情報機関に「ロシアの外交パスポートを持つ人物が(化学兵器の)リシンをスーツケースに入れて持ち込んだ」と通報したという。

 チェコの首都プラハでは2月、ロシア大使館前の広場がプーチン政権を批判して5年前に暗殺されたロシアの野党指導者ネムツォフ氏の名前に改名された。さらに4月には第2次世界大戦でプラハをナチスの占領から開放したソ連軍の将校の銅像が撤去され、ロシアが激しく抗議。一連の出来事で両国の関係は急速に悪化した。

 通報後、広場の改名や銅像撤去を後押しして「暗殺計画」の標的とみられたズデネク・フジブ市長や市内の区長2人が警察の保護下に置かれた。チェコの週刊報道誌が報道すると、外務省が再び反発。チェコ側が「報道の自由」を根拠に反論する事態になっていた。

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 5日の発表で暗殺計画そのも…

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