米国製武器を「爆買い」 自衛隊、いびつな装備体系に

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編集委員・佐藤武嗣 同・土居貴輝 相原亮
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 昨年5月28日、神奈川県海上自衛隊横須賀基地。令和初の国賓として来日していたトランプ米大統領が安倍晋三首相と海自護衛艦「かが」に乗り込み、自衛隊と米軍を前に訓示した。

 「日米同盟は私とトランプ大統領のもとで、これまでになく強固なものになった」。安倍首相はこう強調し、護衛艦のかがを空母化し、米国製の最新鋭戦闘機F35を発着艦させる考えを示した。

 トランプ氏は上機嫌だった。日本政府が、導入予定だったF35の42機に加え、半年前の閣議了解で105機の追加購入を決めたことをほめたたえ、こう語った。

 「日本は同盟国の中でも最も多い数のF35を持つことになる」

 防衛計画大綱では戦闘機の保有機数を「約290」と規定する。戦闘機は通常、不具合に備え、特定の機種に偏らないよう、3~4機種保有する。ところが、将来はF35が5割超を占める。

 安倍政権がF35の大量購入に突き進むのは、トランプ氏が掲げる「バイ・アメリカン(米国製品を買おう)」に呼応した動きとみられている。政府関係者は「今後開発するF2後継機の枠をも狭める米国製F35の爆買いをする必要があったのか」と首をかしげる。

 F35は米国の武器輸出制度「対外有償軍事援助(FMS)」によって購入する。ただ、「援助」ではなく、実際には費用は日本側が全額負担する。しかも、近年はFMSが急増し、安倍政権発足前の11年度に比べると、昨年度は16倍超の約7013億円に膨れ上がった。

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