重量挙げで脅迫、報復、不正会計…前会長の汚職続々判明

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ロンドン=遠田寛生
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 国際重量挙げ連盟(IWF)のドーピング問題や汚職疑惑を調べていた独立調査委員会は4日、タマシュ・アヤン前会長の汚職を明らかにした。本人は否定しているが、脅迫や報復、不正会計にドーピング隠し。122ページの報告書には悪行の数々が並んだ。

 ハンガリー出身のアヤン前会長は今年4月に辞任するまで、事務局長時代を含め、約40年にわたって実権を握っていた。数千の文書や記録、50人以上の証言からまとめられた報告書は、事務局長時代から連盟を操作してきた長期政権を「独裁」と結論づけた。

 典型的なのが、不正会計だ。IWFの口座を管理するのは前会長で、監査担当者らにすら把握させず、隠し口座や第三者名義の口座の存在もあった。使途不明金は約1040万ドル(約11億3千万円)に上る。行方が分からない領収書も130枚以上になる可能性がある。

 IWFが科したドーピング違反国への罰金を、現金で回収してもいた。アルバニア連盟の例では、10万ドル(約1090万円)を持参しなければ、2016年リオデジャネイロ五輪に出場させないと脅迫。「関係者4人が現金を分割して申告をせずにブダペストまで持ち込んだ」とし、領収書を切る笑顔の姿の写真もあった。前会長が多額の現金を持ち運ぶ際は、親族に手伝わせたり、外交官用のパスポートを使ったりした可能性も指摘されている。

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