経済再開の米国、格差あらわに 「構造的な収奪」に反乱

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ワシントン=青山直篤 江渕崇 デトロイト=藤原学思
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 新型コロナウイルスの感染者数が約180万人と世界最悪の米国で雇用危機が続き、社会をむしばんできた格差があぶり出されている。「経済再開」によって底打ちの動きが強まってきたが、感染拡大「第2波」への警戒感がくすぶる。

 白人警官が黒人男性を死なせた事件を機にした抗議デモは、自動車の街として知られる中西部ミシガン州デトロイトにも広がった。

 デモに加わった黒人のエマニュエル・ピラーズさん(32)は、自動車向け塗装素材工場を3月23日にレイオフ(一時解雇)された。会社から復職を打診されたのは5月下旬だが、復帰をためらっている。州内ではまだ1日に100人前後の新規感染者が出ており、腎臓が悪い同居の妹に感染させる懸念もあるためだ。「黒人は自分たちで身を守らないといけない。悲しいけど、それが現実なんだ」

 米国ではもともと、黒人やヒスパニックらの失業率は、白人よりも高い。5月は白人の失業率が改善する一方、黒人は16・8%と前月比0・1ポイント悪化した。弱い立場の働き手たちが一斉に仕事を失い、高い感染リスクを恐れて職場に戻るのをためらうケースもある。

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 米議会予算局によると、黒人…

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