「コロナで耐えきれない」研究も仕事も…窮地の大学院生

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阿部朋美
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 新型コロナウイルスの感染拡大で、大学院生たちが窮地に立たされている。4月から始まった大学などの学費負担を減らす制度では、大学院生は対象外。アルバイトで生計を支える人も多く、収入が減って厳しい生活を強いられている。図書館や研究室は閉鎖され、学会は延期に。SNSでは、今後の生活や研究を不安視する声が相次ぐ。

奨学金、もらっても赤字

 北海道に住む大学院博士課程3年の男性(26)は、午後8時ごろになるとスーパーへ出かけ、半額になったパンや弁当を手に取る。夕食、翌日の朝食、昼食の3食分を買うためだ。

 緊急事態宣言の区域が全国に拡大された直後から、アルバイト先の飲食店は休業。他のアルバイトがないか探したが、見つからなかった。一人暮らしで必要な経費は変わらない。所属する学会の年会費も払わなければならず、月8万円の奨学金では赤字で、引け目を感じながらも遠方に住む親に援助を頼んだ。

 出席する予定だった機械工学の国際学会は延期になった。学校が閉鎖されたため、実験が全くできず、自宅でデータの新しい解析方法を考え、論文を読んで研究を前進させようと努めている。だが、このままでは博士課程の修了要件を満たすことができない。

 数少ない大学院生向けの奨学金を申し込んだが、3年連続で選ばれなかった。教授の支援役のリサーチアシスタントに採用されれば学費が免除される制度にも応募したものの、採用されるかどうかはわからず、先が見通せずに不安な日々を送る。

 男性は「今まで限界ぎりぎりで研究、生活していたが、コロナがきっかけで耐えきれなくなった。院生がいなければ大学の研究は成り立たない。もっと支援をしてほしい」と訴える。

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 「大学院生が一番困っている…

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