荒れる若者案じた住職が… 愛知・犬山署前のはにわの謎

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山本知佳
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 愛知県警犬山署の敷地内に、ひっそりとたたずむ3体のはにわがある。説明板などはなく、いつできたのかもよく分からない。なぜ、なんのために警察署にはにわ?

 国宝・犬山城で知られる愛知県北部の犬山市。犬山署は市中心部にある。はにわが置いてあるのは、署の北西の植え込みの間。並んで交差点を見つめている。1番大きいものが高さ約120センチ、小さいものでも約100センチある。署員に聞くと、「なぜあるのか、よく分からない」との答えが。

 よく見てみると、はにわの裏に「犬山青年会議所」の文字。調べてみると、1983年に同会議所が設置したと分かった。

 名前は「見てござるはにわ」。80年代、暴走族や校内暴力の問題が深刻化していた。当時、青年会議所の会員だった浄土真宗・立円寺(同市羽黒)の住職・田中満さん(73)が、「見ざる・聞かざる・言わざるではなく、子どもたちをよく見守ろう」と考え、はにわを作って市内に設置する運動が始まったという。

 はにわは全て田中さんが作った。子どものころから陶芸が趣味で、自宅に焼き窯を造り、茶わんやつぼなどを制作していた。

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 なぜ、はにわなのか聞くと…

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