自動車会社なのに新型車出さない? 日産の苦境の理由

有料記事経済インサイド

友田雄大 神沢和敬
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経済インサイド

 カルロス・ゴーン前会長が破綻(はたん)寸前の日産自動車リストラのおおなたをふるってから20年。日産は今年3月までの1年間の決算で、当時に迫る巨額の赤字を出した。今後、複数の工場閉鎖などリストラを急ぐ。今回の改革の真価は――。

 5月28日午後5時。ウェブを通じて日産の2020年3月期決算の記者会見が開かれた。それまでの業績見通しで、すでに1千億円規模の純損失は予想されていたが、実際に明らかになった内容は、それを大幅に上回る赤字幅だった。

 純損失の額は実に6712億円。日本の自動車メーカーではまれな大赤字だ。リーマン・ショック後にトヨタ自動車が出した4369億円、00年代初めのリコール隠しの際に三菱自動車が出した4747億円、経営危機時のマツダが00年度に出した1552億円――。日本の自動車業界史に残る数々の赤字決算をゆうにしのぐ。

 足もとの新型コロナウイルスの感染拡大の影響も確かに大きい。しかし、日産の苦境の原因はそれだけではない。内田誠社長は言う。「新型車の投入を計画していなかった。できなかったというより、そういう判断をした経営だった」

販売現場からの悲鳴

 自動車メーカーが新型車を出さない?いったいどういうことなのか。

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 「このままで、終われるか…

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