リビアが第2のシリアに… 外国介入、戦闘員の流入も 

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イスタンブール=其山史晃 カイロ=北川学 ドバイ=高野裕介
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 東西に分裂して内戦状態にある北アフリカのリビアで、ロシアとトルコが介入を強めている。敵対する勢力へ、それぞれが軍事支援を注ぎ込む構図はシリア内戦と同じだ。外国人戦闘員が流れ込み、事態が複雑化する状況もシリアの戦場をほうふつとさせる。

リビア情勢

 リビアでは2011年にカダフィ政権が崩壊した後に混乱が続き、14年に政治勢力が東西に分裂した。16年に国連の仲介で首都トリポリに暫定政府が発足したが、東部を拠点とする武装組織「リビア国民軍」(LNA)は認めていない。トルコやカタールがサラージ首相の暫定政府を支援する一方、エジプト、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、ロシアなどがハフタル司令官率いるLNAを支えている。

 「ロシアがリビアに戦闘機を配備している」。米アフリカ軍は5月26日の声明などで、ミグ29やスホイ24など少なくとも14機のロシア製戦闘機が5月中にリビア東部を拠点とする武装組織「リビア国民軍」(LNA)の支配地域内の基地に到着したと指摘した。

 米軍によれば、ロシアの基地を飛び立った時点で戦闘機にあったロシア空軍を示すマークは、リビアに着いた時点で消え、国籍を示す表示はなくなっていた。シリアにあるロシア軍基地に途中で立ち寄り、機体を塗り直したとみられる。

 ロイター通信などによると、非公開の国連報告書が最近、ロシア政府に近いとされる民間軍事会社「ワグネル」から800~1200人がLNA側に派遣されたと認定した。ワグネルはウクライナ東部の紛争やシリア内戦に関与したことで知られる。リビアでも狙撃手などとして軍事作戦を支えているとされる。米軍は新たに配備されたロシア製戦闘機が、ワグネルの地上戦闘員を空から支援する役割を担う可能性が高いとみている。

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