中国称賛は懐柔のため? WHO、情報入手に苦心と報道

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ウィーン=吉武祐 北京=冨名腰隆
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 中国で新型コロナウイルスへの感染が拡大し始めた今年1月、世界保健機関(WHO)が中国当局の情報統制に不満を募らせていたと、AP通信が2日、入手したWHOの内部資料などをもとに伝えた。WHOは、中国の対応を称賛してきたことで米国などから批判を受けている。同通信は、WHOが情報を得るために中国側の懐柔を試みた可能性を指摘している。

 AP通信は、WHO内部の会議の録音などの資料や多くの関係者への取材をもとに報じ、主に中国が「原因不明の肺炎」患者の存在を公表した昨年12月31日から数週間の動きを追った。

 感染拡大の初期、WHOでは、どうやって中国当局の反発を招かずにウイルスの遺伝子配列や詳細な患者データの提供を求めて圧力をかけるかを議論。対応によっては情報を得る手段を失うことや、中国の科学者たちの立場を悪くすることを懸念したという。

 中国から遺伝子配列などの情報提供が遅れていた1月6日からの週、WHOの緊急対応責任者マイク・ライアン氏は会議で、中国へ情報提供を求めて「ギアを上げる」時だと発言し、圧力を強める必要性を示唆。中国政府が情報を隠したため初動が遅れた2002年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の時の繰り返しを恐れ、「延々と中国に情報を求め続けるという、まったく同じシナリオだ」と語ったという。

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 さらにライアン氏は「コンゴ…

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