「英国はうまみばかりを…」 貿易交渉、EUとの深い溝

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下司佳代子=ロンドン 和気真也 青田秀樹
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 英国と欧州連合(EU)との新たな関係構築に向けた4度目の交渉が、5日に閉幕する。英国のEU離脱から4カ月。貿易協定が焦点だが、新型コロナウイルスの影響もあり、交渉は停滞気味だ。旧来の関係でいられる年末までの「移行期間」を延長するのかどうかの判断の期限も6月末に迫っている。

 「年末に、経済と政治の自由の回復と、EU予算の巨額の支払い回避を達成する」。英国のデビッド・フロスト首席交渉官は5月27日の英議会の委員会で、こう述べた。交渉は進んでいないが、「移行期間は延長しないのが政府の確定方針だ」と強調した。

 司法分野なども含め、英国とEUとの様々な分野の関係を再定義する交渉の最大の焦点は「自由貿易協定(FTA)」の行方だ。EU加盟時に近い、関税も通関手続きも無くてすむルールを確立できれば互いにメリットがあるが、双方の隔たりは大きい。

 EU側は、その前提として、環境基準や政府による補助金のルールなどを一致させ、「公正な競争条件」を整える必要があると主張する。英近海でのEU加盟国の漁業者の操業を認め続けることも求める。

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 だが、英国にとっては、EU…

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